【3月11日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は1日、モスクワで行った米テレビ局NBCとのインタビューで、2016年の米大統領選挙に介入したのは「ウクライナ人やタタール人、またはユダヤ人」かもしれないと述べ、ロシア政府が介入したとの疑惑を否定した。NBCが9日、インタビューの書き起こしを公開した。

 プーチン大統領は席上、しばしば好戦的な態度を見せながら、「なぜあなた方は、私を含むロシア当局が何者かに(米大統領選に介入する)許可を与えたと判断したのか」と問い掛けた。

 米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査を指揮するロバート・モラー(Robert Mueller)米特別検察官は先月、ロシア人13人と同国企業3社を、トランプ氏を支援し、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を中傷するなどの選挙介入に関与した容疑で起訴している。

 プーチン大統領は席上、この起訴内容について、「彼らがロシア人だったら何だというのだ?」と切り捨てた。さらに「ロシア人は1億4600万人いる」「私にはどうでもいい」とした上で、「彼らがロシア国家としての利益を代表しているわけではない」と述べた。

 同大統領はまた、「もしかすると(介入したのは)ロシア人ではなく、ロシア国籍を持つウクライナ人やタタール人、またはユダヤ人かもしれない。この可能性も検証されるべきだ。二重国籍やグリーンカード(米国永住権)を持つ者かもしれないし、米政府が雇った可能性もある」と指摘した。

 モラー特別検察官は37ページに及ぶ起訴状を提出したが、プーチン大統領は、介入疑惑に絡んで違法行為が行われた証拠を見たことがないと主張。「干渉することを目標にはしていない。干渉によってどんな目標が達成できるのか分からない」と述べた。

 米情報機関の長官らは先月開かれた上院情報特別委員会の公聴会で、ロシアは以前として米国の政治への介入を狙っており、今年11月の中間選挙と2020年の大統領選挙で脅威になると警告している。(c)AFP