■トランプ氏の会談合意は「大ばくち」

 バラク・オバマ(Barack Obama)前米政権で国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めたエバン・メデイロス(Evan Medeiros)氏は、トランプ大統領が突如として金委員長との会談を決断したことは、「戦略上の大ばくち」だと述べている。

 メデイロス氏は、金委員長に核兵器を放棄する意思があるという明確な情報はないとし、北朝鮮は従来、狡猾(こうかつ)に各国を出し抜いてきたと指摘。その上で、「金氏はおそらく、世界最高の交渉人を自称するトランプ氏の虚栄心や、対話を通じた北朝鮮和平を望む文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)韓国大統領の熱意を利用し、会談を実現させるだろう」と述べた。

 ソウル駐在大使の空席が1年余り続くなど、現在のホワイトハウス(White House)は地域をめぐる専門的知見を欠いており、ごく初歩的な外交基盤すらないままに首脳会談に臨むことになる。

 メデイロス氏は「トランプ氏がいくら交渉術に自信を持っていても、政権には、あれほど狡猾な相手と複雑なやり取りをこなした経験の持ち主がほとんどいない」と語った。(c)AFP/Park Chan-kyong