【3月11日 東方新報】菜の花の見頃を迎えている中国南部。湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)の市民は毎年、湖南農業大学(Hunan Agricultural University)が管理する農園にある菜の花畑を訪れる。

 ところが、大学は3日、農園の一般公開を中止すると発表し、観光客は農園内へ入れなくなった。

 大学管理センターは、「農園の菜の花畑は、実験と教育のための大学の重要な施設。観光客の入園を禁止したのは、研究作業などをきちんと行えるよう保証するための正しい手続きだ」と説明している。

 農園は、広さ約5ヘクタール。毎年2月から4月ごろには様々な品種の菜の花が咲き乱れ、市民の人気を集めていた。

 同管理センターの彭雪明(Peng Xueming)主任は、今回の措置についてやむを得なかったと説明する。

「数年前にこの農園を開放してから、毎週末になると数百人が訪れていた。しかし、私たちの農園は観光地ではない。飲食施設やゴミ回収など、たくさんの観光客に対応する補助施設がない。観光客は敷地内に入って写真を撮ったり菜の花を踏みつけたり、さらには花を摘むなど、学生たちと心血を注いだ大学の1年間の研究成果がすべて無駄になってしまう」

 菜の花の研究では、国内最先端のレベルと言われる湖南農業大学。

 大学では農園を本来のあるべき研究・教育施設に戻すため、専門業者に同園の管理を依頼し、入り口に守衛を配置するなどの措置を取っている。(c)東方新報/AFPBB News