【3月9日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、ゲームの業界団体、エンターテインメント・ソフトウェア協会(ESA)の幹部らと会談し、現実世界で起こる暴力にはビデオゲームが関係していると述べた。

 ホワイトハウス(White House)の声明によると、トランプ大統領は、ビデオゲームに出てくる暴力と現実世界の暴力に相関性があることを示す研究があると指摘した。会談での議論の中心は、生々しい殺害場面などが登場する暴力的なビデオゲームが、米社会の暴力に対する感覚をまひさせるかどうかについてだったという。

 米フロリダ州の高校で元生徒が半自動小銃を乱射し17人を殺害する事件が発生した後、トランプ氏は「ビデオゲームの暴力性の度合いが、明らかに若者の思考の具現化につながっていると指摘する人がますます増えていると聞いた」と述べている。

 しかしESAはこうした見方に異議を唱えており、トランプ氏との面会前に「ビデオゲームが問題でないのは明白だ。エンターテインメントは世界中に普及し、消費されているにもかかわらず、米国における銃を使った暴力の水準は他国と比べて格段に高い」と指摘した。

 米精神医学会(APA)と米国小児科学会(AAP)は近年、子どもや10代の若者が残酷な表現が含まれるビデオゲームで遊ぶことに反対の立場を取っている。

 しかしゲームと攻撃性に関連があるとする証拠には学術的な疑問が数多く寄せられており、こうした関連性を支持するようなAPAの報告書に対しては200人以上の学者が非難の声をあげている。(c)AFP