【3月8日 AFP】中央アフリカの首都バンギ近郊の女性刑務所内部の奥深く、薄暗い監房の2段ベッドの中から聞こえる祈り声が神秘的な雰囲気を漂わせている。

「いかさまと魔術の行為(PCS)」で収監された女性らは、たくさんの偶像に囲まれながら、残された頼みの綱は神のみであるかのように、最後の力を振り絞ってロザリオに祈る。

 ビンボ(Bimbo)刑務所に収容されている42人の女性のうち半数近くの罪状はPCSだ。貧困国の中央アフリカでは、PCSは犯罪と定められている。

「私がここに連れてこられたのは姉のニナのせい。罪状に心当たりはない」と、シルビーさんは刑務所の中庭で話した。中庭では収監された女性らが食事を作ったり、洗濯物を干したり、子どもの世話をしたりしている。

「ニナの夫が死んだのは、十分な世話をしてもらえなかったから。それなのに、ニナは私に罪をかぶせた」とシルビーさんは上部に有刺鉄線を巡らせた塀の陰で話した。

 シルビーさんの無実に疑いはない。ニナさんは自分のしたことで謝罪にも来たが、それだけでは不十分だった。シルビーさんは獄中で1年以上も裁判を待っている。

 家族の死や病気に際し、シルビーさんのように罪をかぶせられた人はたくさんいる。魔術を使う身内や隣人らが災難をもたらしたと非難するのだ。心からそう信じている場合もあれば、悪意からの場合もある。

 この問題に関する啓蒙セミナーを主催するバンギ女性法律家協会(Association of Women Jurists in Bangui)のナディア・カリーヌ・フォーネル・プトゥ(Nadia Carine Fornel Poutou)会長は、「魔術は以前から中央アフリカの法律で問題となっている」と語る。