【3月7日 AFP】海軍の退役パイロットからミレニアル世代のウェブ開発者、受賞歴のある恋愛小説作家まで、今年の米中間選挙に立候補しようとする女性の数が記録的に増えている。政治を代表する場での慢性的な性的不平等を是正しようとする試みは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対する怒りに突き動かされているという。

 現在、米連邦議員のうち女性はわずか20%だが、民主党が11月の中間選挙で共和党の多数を覆し、大統領の面目をつぶす決意を固める中、女性候補らは推進力となりそうだ。

 四半世紀にわたって女性たちに公職選挙に立候補するためのトレーニングを行ってきたエール大学(Yale University)「ウィメンズ・キャンペーン・スクール(Women's Campaign School)」の理事、パティ・ルッソ(Patti Russo)氏は「30年間の運動の中で、こんなことは初めて」だと語る。

 2016年米大統領選でのトランプ氏の衝撃的な勝利以降、昨年のワシントン(Washington)での「女性の行進(Women's March)」、さらにセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」など急展開が起きている。

 米ラトガース大学(Rutgers University)の「米国女性と政治センター(Center for American Women and Politics)」によると、今年の連邦議会選に立候補する女性の数は下院437人、上院51人で、2016年と比較して2倍となっている。その大半は民主党員だ。

 彼女たちは、女性の体をまさぐることを自慢する政治経験ゼロの男性が国政の最高職に就いたこと、そして史上最も適任の候補と評判だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が敗北したことに憤りを感じている。

 女性議員、とりわけ民主党議員は、女性の権利が攻撃にさらされていると主張しており、医療保険制度改革法(Affordable Care Act)の撤廃から銃規制緩和、環境問題まで、トランプ政策のすべてに立ち向かい前進することを決めた。