■若年化する女性候補

 妊娠中絶の権利を支持する民主党女性議員の選出を目指し活動する政治団体「エミリーズ・リスト(Emily's List)」によると、トランプ氏の大統領選勝利以降、選挙への立候補に関心があると連絡をしてきた女性は3万人を超えているという。同団体では新規スタッフを雇用、事務所の壁を壊してスペースを拡大した。

 一世代前は、議員への立候補を女性が考えるのは一般的に40代半ばになってからだった。だが今やその年齢の中央値は30代初めとなっている。

 ウェブ開発者のリンゼイ・ブラウン(Lindsay Brown)氏(29)は、全体的な傾向に反して共和党員であること以外は、まさに時流を体現している。フェミニストかつ革新派としてブラウン氏は、ニュージャージー州の選挙区で5期連続現職のレオナード・ランス(Leonard Lance)下院議員に対抗しようとしている。中間選挙まで1年を切る中、ブラウン氏は選対部長もいない少数の無給ボランティアたちと寄付金3300ドル(約35万円)の態勢で、4月の共和党予備選立候補のために200人の署名を集めなければならない。これまでに集まっているのはわずか20人分だ。

 ブラウン氏とは対照的に、ニュージャージー州の別の選挙区の民主党候補である元海軍パイロットのミッキー・シェリル(Mikie Sherrill)氏は、今月だけで4万2000ドル(約440万円)の資金をインターネットで集めた。

 大学卒業から8年しかたっていないブラウン氏は、勝算については「現実的」だが、それでもやる気にあふれている。なんとか不可能を可能にすれば、彼女は米連邦議会で最年少の当選となる。もしもだめでも次回、再び挑戦するまでだ。「もう心は決まっている。二度と普通の人生を送ることはない」

■代表者不在のミレニアル世代のために

 ブラウン氏はニュージャージー州クラーク(Clark)の自宅でAFPの取材に「ミレニアル世代」は「現在最大の有権者層だが、政府のほとんどのレベルにおいて代表者がいない」と語った。

 今年は80人近くの女性が各州知事に立候補するとされている。過去最多記録だった1994年の34人を優に超える立候補だ。しかし現職の女性知事は全米50州のうち、わずか6人だ。

 ジョージア州では実業家で弁護士、そして8冊のサスペンス小説の著者であるステイシー・エイブラムス(Stacey Abrams)氏が、黒人女性を代表して知事職のガラスの天井を打ち破ろうと臨んでいる。(c)AFP/Jennie MATTHEW