【3月7日 AFP】(更新)米国家経済会議(NEC)のゲーリー・コーン(Gary Cohn)委員長(57)が6日、辞任する意向を表明した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が決めた鉄鋼とアルミニウムへの追加関税に抗議したもの。トランプ政権では高官の辞任や更迭に歯止めがかからない異常事態が続いている。

 コーン氏は「国に奉仕し、米国民の利益になる成長推進の経済政策を法制化できたことを名誉に思う」と簡潔な声明を出した。

 トランプ氏は「ゲーリーは私の首席経済顧問で、われわれの政策を進めるために素晴らしい仕事をした。歴史的な減税や税制改革の実現を助け、米経済の力を再び解き放った」と称賛。「彼は類まれな才能だ。米国民のために働いてくれたことに感謝する」とコメントした。

 トランプ氏が決めた鉄鋼・アルミニウムへの追加関税をめぐっては、貿易戦争を引き起こしかねないと懸念が広がっており、コーン氏はその決定に強く反対していた。

 ホワイトハウスの当局者は「数週間にわたって、ゲーリーは大統領と(政権を)去る時期が近づいていると話していた。辞任の日程はこれから決められるが、数週間後になるだろう」と述べた。

 ユダヤ系のコーン氏は、バージニア(Virginia)州シャーロッツビル(Charlottesville)でネオナチのグループなどが開いた集会で起きた衝突をめぐり、トランプ氏が明確に非難することを拒否したことに、辞任をちらつかせて抗議したこともある。

 トランプ政権では高官の辞任や更迭が止まらず、歴代米政権でも前例がないほどスタッフの入れ替わりが激しくなっている。(c)AFP