【3月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は3日、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が自身の終身体制の道筋をつけつつあることを称賛するような発言をした。

 発言は、フロリダ州に所有する自身の別荘マーアーラゴ(Mar-a-Lago)での資金集めイベントで支援者向けに述べたもので、非公開だったイベントでの音声を、米CNNが公開した。

 トランプ大統領は「いまや彼(習氏)は終身国家主席だ」「彼はそれを可能にした。素晴らしいと思う」と述べると、支持者の間から笑いが漏れた。さらに同大統領が「われわれもいつか、(終身大統領制を)試してみたらいい」と述べると、より大きな笑いが起こった。

 トランプ大統領のこの発言は冗談として語ったものとみられるが、ツイッター(Twitter)にはトランプ大統領の終身体制への見通しに懸念を示す声が多数、投稿された。

 民主党カリフォルニア州議員のロー・カナ(Ro Khanna)氏は「冗談であろうがなかろうが、習近平氏のように終身大統領になるなどという話題は、米国大統領が口にするものとして最も非米国人的だ」と非難した。

 中国では5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)で、習氏の国家主席としての2期目(任期5年)が正式に承認されるとともに、国家主席の任期を2期10年までと制限した現行憲法を改憲し、習氏による終身体制への道が開かれるとみられる。

 こうした動きに国民の間から非難の声が上がり、検閲当局は、ソーシャルメディア上などで政権に批判的なコメントの監視や削除に追われている。(c)AFP