【3月3日 AFP】コンゴ民主共和国北東部のイトゥリ(Ituri)州で1日夜から2日朝にかけて民族抗争による襲撃事件が発生し、少なくとも49人が死亡した。慈善団体幹部が2日、明らかにした。

 現場はイトゥリ州の州都ブニア(Bunia)から約80キロ北のマゼ(Maze)村。政府がAFPに明らかにしたところによると、事件は牧畜民ヘマ(Hema)人と農耕民レンドゥ(Lendu)人の間で起きた。

 AFPの取材に応じた複数の目撃者によると襲撃したのはレンドゥ人で、「襲撃者たちが村に侵入して虐殺を行った」という。

 カトリック系国際慈善団体「カリタス(Caritas)」のアルフレッド・ヌドラブ・ブジュ(Alfred Ndrabu Buju)氏は「われわれは49人の遺体を確認したが、さらに他の遺体も捜している最中だ」と語った。「今朝、ドロンド総合病院(Drodro General Hospital)に頭に矢がささったままの子ども1人が搬送された」

 イトゥリ州では昨年12月半ば以降、ヘマ人とレンドゥ人の衝突による死者が100人を超えており、約20万人が自宅を離れて避難を余儀なくされている。国連(UN)のデータによると、ここ数週間で主に女性と子どもの2万8000人以上が悲惨な暴力を逃れて隣国のウガンダに入った。

 敵対するヘマ人とレンドゥ人が隣り合って暮らしているイトゥリ州では両民族間の軽度の暴力行為が頻繁に起きていた。(c)AFP