【3月2日 AFP】政治家の給与が世界で最も高いといわれるシンガポールで1日、特別委員会から大臣の給与を増額するよう勧告があったにもかかわらず、給与増額が見送られることが明らかとなった。だが市民の間で同情の声はほとんど上がっていないという。

 金融の中心地であるシンガポールの閣僚の報酬は世界で最も高額なことで知られ、就任したばかりの大臣でも年間給与額は110万シンガポールドル(約8800万円)、リー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相に至っては220万シンガポールドル(約1億7600万円)だという。

 政府は高額な給与について、他のアジア諸国にはびこる汚職を防ぎ、有能な人材を引き付けるためにも必要だと主張している。ただこの件については、長らく市民の間で怒りが巻き起こっており、批判を受けて政府は2012年に見直しを行い、削減に踏み切った。

 そして昨年、特別委員会が給与削減から初の見直しを実施し、9%の給与増額を勧告。しかし1日、給与見直しについて国会で議員から質問を受けたテオ・チーヒエン(Teo Chee Hean)副首相は、給与の増額はないと発表した。(c)AFP