【3月2日 AFP】ドイツの情報機関を監督する議会監督委員会は1日、同国政府の情報ネットワークが現在サイバー攻撃を受けている最中だと明らかにした。この攻撃にロシアのハッカー集団が関与しているとするメディア報道については言及を避けた。

 同委員会のアーミン・シュスター(Armin Schuster)委員長は「これはドイツ政府システムの一部に対する本物のサイバー攻撃だ。プロセスは継続中だ。現在も攻撃は続いている」と述べ、攻撃側に重要な情報が漏れることを避けるためそれ以上の詳細は明らかにできないと説明した。

 トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)内相はこのハッキングは「時間をかけて計画された、技術的に洗練された攻撃」だが状況は掌握しており、情報機関が攻撃の標的やその手法について知見を得るべく監視していると述べた。

 先月28日に初めて攻撃について報道したドイツのDPA通信は翌1日、匿名の治安筋の話として、攻撃はロシアのサイバースパイ組織「スネーク(Snake)」(別名「トゥーラ(Turla)」、「ウロボロス(Uruburos)」)である可能性が高いと伝えていた。

 同組織は世界各国の省庁や大使館を標的にしており、ドイツのメディアによるとロシアの情報機関とつながりがあるとされる。

 DPA通信は、2016年米大統領戦のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏陣営や2015年にドイツ議会の情報システムを攻撃した疑惑のあるロシアのハッカー集団「APT28」の関与を指摘した。

 DPA通信によるとドイツ治安当局が今回のサイバー攻撃に最初に気付いたのは昨年12月で、これまでに外務省と内務省のシステムが侵入されたという。(c)AFP/Hui Min NEO