【2月27日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)では、25日もバッシャール・アサド(President Bashar al-Assad)政権軍による空爆や激しい衝突が続いた。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」や現場の医師によると、政権軍による化学兵器を使ったとみられる攻撃もあり、3歳の幼児が窒息死し、民間人13人が呼吸困難に陥った。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は24日、シリア全土での30日間の停戦を求める決議を採択したが、シリア内戦で最も激しい攻撃の一つとなっている東グータへの攻撃は止まっていない。監視団によると、25日の空爆では子ども3人を含む民間人少なくとも14人が死亡した。

 監視団によると、政権軍の軍用機1機が東グータの村に空爆を加えた後、民間人14人が呼吸困難に陥った。ラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は複数の情報源の話として、子ども1人が死亡、女性1人が重体だと明らかにした。

 被害者を治療した医師はAFPに「大半の患者の服や皮膚から塩素臭がした。多くの人に呼吸困難や目の炎症が見られた」と述べ、「化学兵器、おそらく塩素ガス攻撃」が行われたとの見方を示した。この医師によると、3歳の幼児が窒息死したという。

 反体制派は政権軍が塩素ガスを使用したと非難しているが、アサド政権の同盟国であるロシアは、反体制派が政権軍の仕業に見せかけるため「毒物」を使ったと主張している。

 1週間前に始まった政権軍による東グータへの攻撃では、これまでに500人以上が死亡している。(c)AFP