【2月23日 AFP】昨季のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)でドライバーズ部門とコンストラクターズ部門の2冠に輝いたメルセデスAMG(Mercedes AMG)が22日、2018年シーズンの新車「W09」を発表。チーム責任者のトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏は、コックピットの頭部保護システムとして新たに導入された「Halo」について「可能ならばチェーンソーで取り除きたい」と述べた。

 F1ドライバーのジュール・ビアンキ(Jules Bianchi)選手とインディカードライバーのジャスティン・ウィルソン(Justin Wilson)選手が命を落としたことを受け、国際自動車連盟(FIA)は数年間に及ぶ研究と開発の末に、飛来するデブリや衝突などからドライバーを守るための安全装置「Halo」の導入を決定した。

 これに対してヴォルフ氏は、装置の重さに不満をあらわにしており「全体的に感心できないし、チェーンソーがあったら取り除いてやりたい。ドライバーの安全には気を配る必要はあるが、導入された装置は外観的にアピール性がなく、見栄えを良くする解決策が必要だ」と主張した。

 通算4度の世界タイトル獲得を誇るルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、Haloの外観に関する辛らつな批判は控えたものの、2階建てバスの重さにも耐えられるようにデザインされた装置の重さが加わることによって、レースが盛り上がらなくなると警戒感を示した。

「チームはHaloをマシンに統合させ、外観を良くするために素晴らしい仕事をしている。あまり重くならないことを望んでいるけれど、来年はシートとドライバーの重さが80キロになるだろう。筋肉をしっかり鍛えて、ビーチ向きの引き締まった体になりたいものだ。軽さや機敏さが足りない部分もあった。以前の方がオーバーテークしやすかった。重さが加わると常にスピードは落ちていく」

 ハミルトンは昨季、2レースを残してタイトル連覇を果たしたものの、最後の3レースはフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)、そしてチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)に優勝をさらわれた。

 F1での総合優勝回数で歴代2位のファン・マヌエル・ファンジオ(Juan-Manuel Fangio)氏の記録に並ぶまであと1勝に迫っているハミルトンは、「シーズン終盤に差しかかる頃にはフェラーリ、レッドブル、そして僕らの厳しい三つどもえになっているだろう。今年はそうなることを予想しているから、より厳しいバトルになる」とコメントした。(c)AFP/Kieran CANNING