■身元確認

 パークランドでの銃乱射事件を受けて、米ホワイトハウス(White House)は19日、銃購入時の身元調査システムの改良を目指す超党派の取り組みについて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が支持する意向を示していることを明らかにした。

 1993年に制定のブレイディ法(Brady Bill)では、連邦当局の許可を受けた銃砲店に対し、銃購入希望者の身元を連邦捜査局(FBI)のシステムに照会するよう求めた。

 全米犯罪歴即時照会システム(NICS)と呼ばれるこのデータベースに銃購入希望者の氏名を入力すると、銃火器の購入が禁じられている重罪および家庭内暴力での前科、さらには重い精神疾患の有無などが確認できる。

 しかし、州ごとに抜け穴が多数存在しており、個人間での販売の多くは規制されていない。

 民主党のクリス・マーフィー(Chris Murphy)、共和党のジョン・コーニン(John Cornyn)両上院議員は、銃購入時の身元調査に関する改正法案を共同で起草しており、各州と連邦政府の各機関におけるNICSの順守徹底を目指している。

 この法案は、ホワイトハウスによる発表でトランプ氏が支持を検討しているとされているもので、また大きな影響力を持つNRAのロビー団体からも支持されている。

 米キニピアック大学(Quinnipiac University)が発表した全米世論調査によると、銃規制強化に賛成すると回答した有権者は66%、反対と回答した人は31%だった。2008年の調査開始以降、賛成派が最も多い結果だという。

 銃を所持している回答者でも銃規制強化に賛成は50%、反対は44%で賛成が反対を上回った。銃の購入者全員の身元確認に賛成すると回答した人は97%という圧倒的な多さで、反対または賛否を明らかにしなかった人はわずか3%だった。

■教師の武装

 教師に銃を与えるという案もある。これはNRAのロビーストらによる提案で大きな物議をかもしている。

 ワシントン・ポストとABCニュースが実施した世論調査では、42%の回答者が、教師が銃を持っていればパークランドの事件は防げたと考えている。一方、防げなかったと答えた回答者は51%に上った。

 教師を武装させる案については、支持する党によって賛否に大きく差がついた。民主党支持者で、教師が銃を持っていればパークランドの事件は防げたと答えたのはわずか23%だった。