【2月22日 AFP】平昌冬季五輪のドーピング検査で陽性となったOAR(ロシアからの五輪選手)のカーリング選手が、22日に行われる予定のスポーツ仲裁裁判所(CAS)の聴取に出席しない意向だとわかった。国営ロシア通信(RIA)が報じた。

 陽性反応を示したアレクサンドル・クルシェルニツキー(Alexander Krushelnitsky)は、妻のアナスタシア・ブリズガロワ(Anastasia Bryzgalova)と出場した混合ダブルスで銅メダルを獲得したが、その後の検査でA・B両検体から禁止薬物のメルドニウム(meldonium)が検出されていた。

 CASによる聴取は韓国時間22日午後2時から行われる予定となっているが、OARの代表によると、クルシェルニツキーは出席しない予定だという。クルシェルニツキーは同通信に宛てたメッセージでそのことを認め、陽性の事実を「否定するのは愚かなこと」だと話した。

「適切な裁定に対する覚悟はできています。こうした事例では、どんな裁定が下されるかは前もって決まっているもの。その点を考慮し、またあらゆる賛成、反対意見を検討して、今回のCASによる聴取には出席しないと決めました。現行の規則では出ても無意味であり、無益だと考えます」

 クルシェルニツキーは、過去数か月にわたる徹底調査で「クリーン」だと証明され、平昌五輪に個人資格で出場しているロシア選手168人の一人だった。本人はショックだと話し、同国のパベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相も、カーリングでパフォーマンス向上薬を使うのは「無意味」で摂取する理由がないと話していた。

 この件に近い筋によると、ソチ冬季五輪での組織的なドーピングを原因とする今五輪の出場禁止処分に対して、ロシアは国際オリンピック委員会(IOC)に1500万ドル(約16億円)の罰金を支払ったという。IOCは、25日の閉会式の前にロシアの処分を解除するかを検討しているが、この支払いが大きな評価材料になるとみられる。(c)AFP