【2月20日 AFP】平昌冬季五輪は20日、アイスホッケー女子の7~8位決定戦が行われ、韓国と北朝鮮の代表が結成した南北合同チーム「コリア」は1-6でスウェーデンに敗れた。歴史的な五輪出場の旅路を終えたチームには、観客から温かなスタンディングオベーションが送られた。

 数週間前に韓国と北朝鮮が合意したことを受けて急きょ結成され、12人の北朝鮮選手が名を連ねた南北合同チームは、5試合で28失点を喫し、得点はわずか2にとどまった。

 それでもチームは地元観客から一番の声援を受け、平昌での「平和五輪」の強力なシンボルとして称賛された。

 地元の観客は第1ピリオドに韓国のハン・スジン(Soo-jin Han)が同点ゴールを決めた際に大歓声を挙げたが、その後はスウェーデンが勝負を決める得点を重ねた。

 多くの観客にとって合同チームの試合は結果以上のもので、試合終了のブザーが響くと会場の観客が一体となって立ち上がり、耳をつんざくような拍手が降り注いだ。これに対し選手たちは深々と頭を下げた。

 南北合同チームを率いるカナダ出身のサラ・マレー(Sarah Murray)監督は、選手が観客に応える姿に涙を流すと、北朝鮮のパク・チュルホ(Chul ho Pak)コーチと抱き合った。

 マレー監督は記者団に対し、「選手とチームが払った犠牲には価値がありました。親和性と、スポーツは障壁を乗り越えるという選手たちが送ることができたメッセージは、素晴らしい仕事でした」と振り返った。

 また韓国のGKシン・ソジョン(Shin So-jung)は、「これほどまでの大人数に応援されたのは初めてでした。ただただ感謝しています」と付け加えた。(c)AFP