【2月17日 AFP】平昌冬季五輪は17日、フィギュアスケートの男子シングル・フリースケーティング（FS）が行われ、米国のネイサン・チェン（Nathan Chen）が五輪史上初めて6本の4回転ジャンプで挑戦。緊張感に包まれた16日のショートプログラム（SP）で自滅し、17位に沈むなかで決戦の日を迎えた現在18歳のチェンだったが、フリーでは圧巻の演技で215.08点という高得点をたたき出し、最終的には合計297.35点として5位まで順位を巻き返した。

　昨年一つのプログラムでは史上初となる5本の4回転ジャンプに成功し、その記録を自身で塗り替えたチェンは、SPでの大失敗を受けて前人未到となる6本の4回転ジャンプに挑戦することを決めたと明かし、「ずっと練習してきたけれど、すべて着氷したことは一度もなかった」と語った。

「自分としては、『（今週は）もう何度も転倒しているから、いっそのこと全部出し切って結果を待つ』という感じだった」

　今大会のチェンは、堂々と五輪連覇を果たした羽生にとって最大のライバルになると期待されていたものの、前日のSPでは世界で最も大きな舞台の雰囲気にのまれてしまった。しかし、クリストファー・ゴードン（Christopher Gordon）作曲の映画『小さな村の小さなダンサー（Mao's Last Dancer）』の楽曲に乗せたフリーでは、少なくとも思い切った演技を披露することができた。

「4回転キング」というニックネームの期待に応えたチェンは、「悲惨なショートプログラムとなり、いつもよりかなり低い順位に沈んだことで、結果については完全に気にせずに済んだ。ただ氷の上で楽しむことだけに集中し、肩の荷が軽減されたことが大きな後押しとなった」と語った。(c)AFP