【2月16日 AFP】平昌冬季五輪は15日、クロスカントリースキー女子10キロフリーが行われ、北朝鮮のイ・ヨンクム(Ri Yong Gum)はレース途中で激しく転倒した後にコースを間違えて90人中89位でゴールするという、ふがいない五輪デビューとなった。

 同種目で金メダルを獲得したノルウェーのラグンヒル・ハガ(Ragnhild Haga)から約12分遅れでレースを終えたイ・ヨンクムは、歯に血を光らせながらフィニッシュラインでコーチに抱きついた。

 現在18歳のイ・ヨンクムはメダル候補ではなかったものの、レース途中で転倒して雪上で数回転がる災難に遭遇して一気に後退。気丈に起き上がりながらも、今度はコースを間違えてしまった。

 それでも、韓国の応援団は青いパーカを着て朝鮮半島の結束を示す小さな統一旗を振りながら、「頑張れ、イ・ヨンクム、あなたは誇りです」と大合唱して声援を送っていた。昨年はロシアで国際大会に出場して83人中最下位だった同選手は、今レースでは最後から2番目にフィニッシュし、チリのクラウディア・サルセド(Claudia Salcedo)に最下位を譲った。

 好戦的な発言やミサイル発射で挑発を繰り返してきた北朝鮮は、「ほほ笑み外交」の一環として平昌五輪に22人の選手団を派遣した。そのうち正式に出場権を獲得したのはフィギュアスケート・ペアの廉太鈺(Ryom Tae-Ok、リョム・テオク)/金柱希(Kim Ju-Sik、キム・ジュシク)組だけで、残りの選手は特別に招待を受けたものとなっている。

 北朝鮮には現在、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が発案したスキーリゾートが1か所存在するといわれているが、報道によると、初心者用のゲレンデを除いてほとんどがら空き状態であると伝えられている。(c)AFP