【2月16日 AFP】北朝鮮は15日、同国で1年余り身柄を拘束された後、釈放され帰国して間もなく死亡した米国人学生オットー・ワームビア(Otto Warmbier)氏(当時22)の父親を米国が平昌冬季五輪に招待したのは「中傷キャンペーン」だと非難した。

 ワームビア氏は2016年、北朝鮮を旅行中に政治的なポスターを盗んだとして拘束され、反国家犯罪で15年の労働教化刑を言い渡された。1年以上にわたり拘束され、釈放された時には昏睡(こんすい)状態に陥っており、米国に帰国して数日後に死亡した。

 米五輪選手団の団長を務めるマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領は、「北朝鮮で起きている残虐行為を世界に再認識させる」ため、ワームビア氏の父親と共に韓国入りしていた。

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は15日夜、「米国はまたしてもDPRK(北朝鮮)に対する中傷キャンペーンを開始し、ワームビア氏の死の責任をDPRKになすりつけた」と報道。「国際的圧力を扇動し、わが国を武力で抑え込む試みを正当化する、ずる賢い目的をもった示威行動だ。トランプ(米大統領)は、戦略国家の地位に堂々と上り詰めたDPRKの強さに恐れおののいている」と伝えた。(c)AFP