【3月5日 AFP】静かな山あいに響き渡るライフルの銃声──セルビアで合法的に行われている狩猟により、新たに2匹のオオカミが犠牲となった。オオカミ狩りは西欧諸国のほとんどで禁止されているが、セルビアではオオカミの生息数が危機的な状況ではなく、7月から翌4月まで狩りが許されている。

 過疎地であるセルビア南部の山間部では、野生のオオカミおよそ800匹が生息している。山間部に住んでいるのは農業や牧畜に従事する貧しい人がほとんどで、冬は特にオオカミが家畜を襲うことが珍しくない。

 およそ60匹の羊を所有する農家のイバン・ミレンコビッチ(Ivan Milenkovic)さんは、「去年はオオカミがたった5分で4匹の羊を殺した」と語った。

 バルカン半島諸国ではセルビアのほか、モンテネグロ、ボスニア、マケドニアでオオカミ狩りが認められている。一方、アルバニア、クロアチア、コソボでは禁止されている。(c)AFP/Jovan MATIC