【2月15日 AFP】アフガニスタンで2017年に自爆攻撃や襲撃によって死亡または負傷した民間人の数は、過去最多の約2300人に上ったことが15日、国連(UN)の報告で明らかになった。

 国連アフガニスタン支援団(UNAMA)の報告によると「2017年は、自爆攻撃と複合攻撃による民間人の年間犠牲者数が過去最多を記録」し、605人が死者、1690人が負傷したという。

 昨年8月にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が米軍のアフガニスタン駐留期限を定めないと発表し、過激派掃討のため兵士と空軍力を増強したことを受け、アフガニスタンでは武装勢力が市街地での攻撃を強めている。

 一方、UNAMAによればアフガニスタン全土における2017年の民間人の犠牲者の総数は9%減少し、死者3438人、負傷者7015人の計1万453人だった。しかし、空爆や特殊部隊の作戦の標的となることが増えた過激派側は都市部を狙った攻撃を強めており、自爆攻撃をはじめとする襲撃に巻き込まれる民間人の犠牲者数は17%増加したという。

 報告書は、旧支配勢力タリバン(Taliban)やイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が人口密集地で行った無差別攻撃で「過去最多の犠牲者が出た」と指摘。カブール市内だけで昨年は1831人の死傷者が出たと伝えた。

 国連によると、2009年に犠牲者数に関する公式統計が始まって以降、アフガニスタンでは2万8000人以上が死亡、5万2000人以上が負傷したという。(c)AFP