【2月15日 AFP】平昌冬季五輪のスピードスケート・ショートトラック女子で、韓国の選手が失格になったことに腹を立てた韓国のファンが、銅メダルを獲得したカナダの選手にインターネット上で激しい中傷を浴びせ、国際オリンピック委員会(IOC)が選手への「敬意」を呼びかける事態になっている。

 13日に行われた女子500メートル決勝では、韓国の中でもメダルの有力候補だった崔珉禎(Choi Min-jeong、チェ・ミンジョン)とカナダのキム・ブタン(Kim Boutin)がレース途中に接触。僅差の2位でフィニッシュした崔珉禎は妨害行為でレース後に失格となり、ブタンが銅メダルを獲得した。

 ところが、失格になるべきなのはブタンの方だと考える韓国のファンが、選手のツイッター(Twitter)アカウントに中傷のコメントを大量に書き込み、ブタンはその後アカウントを「鍵付き(非公開)」にせざるを得なかった。

 これを受けて、IOCは広報を通じて「選手とそのパフォーマンスに敬意を払い、彼らのこれまでの努力と五輪精神を支持することを、すべての人にはっきりお願いする。五輪は異なる国の選手が友愛の精神の下に競い合う場だ」と呼びかけた。

 カナダ代表は、この件をチームの警備スタッフとカナダの警察に報告したことを明かし、「代表選手全員の健康と安全、安心はわれわれの最優先事項。ゆえに、われわれはカナダスピードスケート連盟(SSC)と警備担当者、そしてカナダ警察と緊密に協力していく」と声明を発表している。(c)AFP