【2月9日 AFP】(更新)平昌冬季五輪の参加選手らに大会公式パートナーの韓国サムスン電子(Samsung Electronics)が無償提供している特別仕様の最新型スマートフォンをめぐり、北朝鮮選手団が大会後の返却を条件にした貸与を拒否したことが9日、分かった。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪会場や競技の情報がインストールされた「ギャラクシーノート8(Galaxy Note 8)」を全出場選手と関係者に提供する方針を示している。

 平昌五輪の大会組織委員会は当初、国連(UN)の制裁対象国である北朝鮮とイランの選手団にはスマホを支給しないと発表。その後、IOCが両国の関係者には大会期間中に限って貸与し、帰国前に返却を求めるとの方針を明らかにした。

 だが、韓国・聯合ニュース(Yonhap News)は、北朝鮮選手団がスマホの受け取りを拒否したと報じた。拒否の理由は不明。

 この報道に先立ち、イラン政府はスマホの返還を条件とした貸与に猛反発。イラン外務省は駐イラン韓国大使を呼び、サムスンが「五輪の精神に反する不誠実な振る舞い」をしているとして強く抗議し、「サムスンが謝罪しなければ、サムスングループとイランの貿易関係には激しい反動が生じるだろう」と警告した。

 IOCは8日夜に声明を発表し、「イランに関しては全選手がスマホを保持できることが確認できた」として前言を撤回したものの、「北朝鮮については全参加者に対し、スマホを自国に持ち帰ることなく平昌滞在中にのみ使用するよう要請する」としていた。(c)AFP