【2月9日 東方新報】個人信用力を測る「テンセント信用」公式アカウント内のサービスが、公開テストを実施しを開始した直後に、停止したままになっている。テンセント信用のライセンスに問題があったかもしれないという情報もある。

 テンセント信用とは、法人・個人の財産的信用を管理・調査などを行う「テンセント征信(Tencent Credit Bureau)」が提供。クレジットカードの返済や公共料金の支払いなどを期限内に行っているかなど、アプリを通じて収集した個人情報や決済情報を元に、ユーザーの信用度がスコアに反映される仕組み。スコアが高いほど信用力が高いことを示し、ホテルやレンタルサービス利用時の保証金が免除されるなどのさまざまな優遇を受けることができる一方、クレジットカード請求の未払いなどもデータに記録され、信用ポイントに影響する。

 テンセント信用は1月30日、公開テストを全国的に開始。翌31日には各種コンテンツがすべて表示されなくなっており、公式アカウント内にある自身の信用スコアや関連サービスが閲覧できないなどと、ユーザーからの指摘が相次いだ。公式アカウントでは、「全国向けの限定テスト期間は終了しました。現在アップグレード中です。どうぞご期待下さい」とするメッセージだけが表示されている。

 公開テストが突然停止した原因については、国の監督・監査関連機関から圧力がかかったのではないかと分析するアナリストもいる。

 2015年初め、中国人民銀行(The People's Bank Of China)はテンセント征信や芝麻信用(Zhima Credit)など8社に対し、個人信用スコアサービスの開業準備を許可している。しかし3年後の現在、同行は運営許可のライセンスをどの社に対しても発行していない。

 中国人民銀行信用管理局の万存知(Wan Cunzhi)局長は以前、メディアから受けた取材に対し「監督・監査基準に達していない状況下では、ライセンスを発行することはできない」と述べている。

 万局長はその際、ライセンスを発行していない理由として、政府がインターネット金融対策や研究を行う上で時間を要していることや、市民の個人情報保護意識の急激な高まりを背景に、開業準備中の8社に対する要求がさらに高まったこと、8社の準備状況が市場や政府の要求と大きくかけ離れている点を挙げている。(c)東方新報/AFPBB News