【2月9日 AFP】シリア首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)では8日も政権軍による空爆があり、過去4日間の民間人の死者数が子ども数十人を含む228人に上った。

 一方、米国主導の有志連合軍は協力関係にあるクルド人勢力を守るため、シリア東部で政権側戦闘員ら少なくとも100人を殺害したと明らかにした。

 この衝突は、米国とシリアの対立激化を示すもの。シリア政権軍が化学兵器を使用したとの疑いをめぐり米国が同政権に警告を発する一方、シリア側は同国東部における今回の米軍の行動は「戦争犯罪」だとしている。

 米国は国連(UN)による東グータでの停戦の呼び掛けを支持しており、米国務省のヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官は「これらの攻撃は直ちに終結されなければならない」と表明した。

 8日の東グータ空爆による死者数は終日にわたって増加の一途をたどり、在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、夕方までに75人の民間人が死亡。うち3人は7日の負傷が元で死亡した。

 シリア政権は5日以降、推定40万人の人口を抱える東グータに対して大規模な空爆を実施。8日の空爆により、この間の民間人の死者数は228人となった。同監視団は、このうち少なくとも53人が子どもだとしている。

 ダマスカスの東にある東グータでは、2013年から政権軍による包囲が続いている。

 子ども支援を専門とする英国のNGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」のソニア・クシュ(Sonia Khush)シリア事務所代表は、「子どもや教師はいつ攻撃を受けるかわからず恐怖におびえている。包囲されているということは、どこにも逃げ場がないということだ」と述べ、「攻撃を直ちに停止し、包囲を終わらせなければならない」と訴えた。(c)AFP/Abdulmonam Eassa with Rouba El-Husseini in Beirut