【2月8日 AFP】韓国・平昌(Pyeongchang)郡では、9日に開幕する平昌冬季五輪に合わせて、郡内の犬肉レストランに対し犬肉料理の提供を自粛するよう当局が要請しているにもかかわらず、ほぼ全店舗が犬肉の提供を続けていることが分かった。自治体関係者が8日、明らかにした。

 韓国では夏場の滋養食として犬肉が食され、年間約100万頭が消費されるとみられている。犬肉は脂の多い赤身で、決まって軟らかくなるまでゆでて食される。

 動物愛護活動家らは犬肉消費の禁止を求める運動を強化しており、犬肉食を理由に平昌五輪のボイコットを訴えてインターネット上で請願活動を行ったり、首都ソウルで抗議行動を展開したりしている。

 地元当局は平昌郡にある犬肉レストラン12店舗に対し、五輪開催中の犬肉提供を自粛するよう要請し、見返りに助成金の支払いを提示。しかし自治体関係者がAFPに明かしたところによると、要請に応じたのは2店舗のみだという。

 この関係者は、「レストラン経営者たちから、当局が生計を脅かしているとの苦情を多数受けている」と明かし、「中には、犬肉の代わりに豚肉などの販売に切り替えようとしたが売り上げが激減し、犬肉販売に戻ったという経営者もいる」としている。

 韓国当局は、国が主催する大規模な国際イベントの開催時には、メニューを変更したり、犬肉提供の表示を差し控えたりするよう、繰り返し要請している。(c)AFP