■手または足を失った人は03年のイラク戦争以降増加

 人民動員隊のアブメディ・モハンディス(Abu Mehdi al-Mohandis)副司令官は、同民兵組織が運営する病院では、戦闘員6万人、民間人30万人に対し無料で医療が提供されていると語る。

 ディア・フセイン(Dhia Hussein)氏は、バグダッドで人民動員隊のために病院を運営しており、その病院では過去6か月間だけで手または足などを失った患者1450人が治療を受けたと述べた。

 イラクではこれまで、1980~1988年のイラン・イラク戦争や、サダム・フセイン(Saddam Hussein)政権を崩壊させた2003年のイラク戦争、最近のISとの戦いなど、多数の犠牲者を出す戦闘が繰り返されてきた。そのたびに多くの死傷者が出たが、その多くは手または足などを失った。

 タッシン・イブラヒム(Tahssin Ibrahim)さんは、バグダッドで30年以上の間、義肢を作り続けてきた。

 イブラヒムさんによれば、手または足を失った人の数は2003年のイラク戦争以降、増加しており、義肢を専門に扱う工房や医療器具を販売する店舗の数は、過去15年間で10倍に増加したという。

 イブラヒムさんの患者の大半は、戦争で負傷した人々で、その多くは義肢を得るため借金を余儀なくされているとイブラヒムさんは話した。

 AFPの取材に応じたガッサン・アルシ(Ghassan al-Alussi)医師は、退役軍人らに支払われる恩給は「不十分」だと思うと話し、「手または足などを失った戦闘員らは国を守ったのだから、公共施設や医療機関はもっと彼らの役に立ってあげるべきだ」と述べた。(c)AFP/Salam Faraj