【2月5日 AFP】アイスランドでこのほど、同じ仕事に従事する男性従業員と女性従業員に対し同額の賃金が支払われていることを証明するよう雇用主に義務付ける新たな法律が世界で初めて施行された。証明できない雇用主には罰金が科される。

 新たな制度の導入で同国企業は来年1月より、男女間で平等に賃金が支払われていることを証明する書類の定期的な提出が義務付けられる。

 同国が経済危機に見舞われた2008年に国営化された国内最大規模を誇る銀行「ランズバンキ(Landsbankinn)」は、すでに新制度への準拠を始めたという。同行財務部門で働くエリザベト・ビョルンスドッティルさんは、男性の同僚たちとの比較で差別的な扱いは受けたことがなく、その逆もしかりと語る。

 ジェンダーギャップ指数による男女平等ランキングでは、アイスランドは世界で最も先進的な国だ。しかし、ビョルンスドッティルさんは「だからこそ、この法律が必要」と指摘し、「なぜならそれは、簡単に感じたり見たりできるものではなく、何らかの感情を抱いたとしても、それを証明するのは非常に難しいから」と続けた。

 アイスランドでは1961年から、男女平等賃金の支払いを義務付ける法律が施行されているが、新法は雇用主側にその責務を負わせる内容となっている。今後は、賃金格差の存在を従業員側が証明する必要はなく、生じた差が性別を基準としたものではないことを雇用主側は示さなくてはならない。新制度に準拠する企業には、(民間コンサルタント会社などの)認証専門機関から3年間有効な証明書が発行される。

 アイスランドは過去9年間、世界経済フォーラム(World Economic Forum)の男女平等に関する調査で常に他国をリードする存在となってきた。しかし同国の国家統計によると、全体的な男女間賃金格差は16.1%と依然として存在しており、EU統計局(Eurostat、ユーロスタット)のデータで示された域内平均値と同水準だという。