【2月5日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は4日、物議を醸している国際ボクシング協会(AIBA)について調査を開始し、ボクシングが2020年東京五輪の実施競技から外れる可能性を示唆した。

 AIBAの会長代行は米財務省から犯罪者と指摘され、さらには2016年のリオデジャネイロ五輪での八百長の可能性も取り沙汰されており、IOCの理事会はAIBAとの接触及び分配金の支払いの凍結を決定している。

 理事会は、AIBAの判定や反ドーピング問題に関するガバナンス報告書に「不満」を示しており、追加報告書を4月30日までに提出することを求めている。

 IOCは「2018年ブエノスアイレスユース五輪、2020年東京五輪でのボクシング実施について再検討する権利を有している」と声明を発表している。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、AIBA側に対してリオ五輪での八百長告発に関するさらなる情報を提供するよう求めていると明かした。リオ五輪では議論の巻き起こる判定がいくつも発生し、審判員らが除外された。

 バッハ会長は「まだ八百長問題について調査している。納得いく説明をしてもらいたい。AIBAのガバナンスについて非常に憂慮している」とコメントしている。

 AIBAのガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)会長代行は、ヘロインの売買に関わる「ウズベキスタンの代表的な犯罪者の一人」とされており、米国における資産を同国財務省から凍結されている。

 AIBAでは昨年11月に呉経国(Ching-Kuo Wu)氏が会長を辞任し、その後会長代行に就いたフランコ・ファルチネリ(Franco Falcinelli)氏も先月辞任したことを受け、ラヒモフ氏が新たに会長代行に就任していた。(c)AFP