【2月4日 AFP】ミャンマー政府は3日、同国南西部ラカイン(Rakhine)州の村でイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の集団墓地が新たに5つ見つかったとの報道について、墓地は「テロリスト」の遺体を埋めたものだとして報道内容を否定した。

 これに先立ちAP通信(Associated Press)は携帯電話で撮影されたタイムスタンプ付き動画と、ロヒンギャ難民数十人の証言から、ミャンマー軍兵士らによる虐殺について伝え、ラカイン州のグーダーピエン(Gu Dar Pyin)村で少なくとも5つの集団墓地が新たに見つかったと報じていた。

 これに対しミャンマー政府の情報委員会は「AP通信の報道について、調査チームが村人に聞き取り調査するなどして系統的に検証し、報道は事実でないことが判明した」との声明をフェイスブック(Facebook)で発表した。

 AP通信の報道は、グーダーピエン村で銃や刃物、ロケット砲、手りゅう弾などで武装した政府軍兵士や仏教徒の暴徒らが村人を襲撃し、遺体を複数の穴に投げ込んでその上から酸を浴びせかけたというもの。

 報道は他にも、完全に破壊された村の様子を捉えた衛星画像や、最大で400人が殺害されたと主張するバングラデシュの難民キャンプでインタビューに応じたロヒンギャ難民らの証言などを伝えている。

 この報道内容についてAFPでは独自検証はできていない。

 ミャンマー政府の情報委員会は、AP通信が集団墓地としているのは、昨年8月28日に治安部隊とロヒンギャの武装集団との間で衝突があり、その際に死亡した「テロリスト19人の遺体を埋葬したものだ」と述べたが、墓地の場所や状況に関する詳細は明らかにしていない。(c)AFP