【2月4日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は3日、内戦などの戦闘から逃れるためにトルコに避難しようとしているシリア人に対する武器の使用をやめるようトルコ政府に呼び掛けるとともに、シリア難民たちに国境を開放するよう強く求めた。

 国連(UN)によると、シリア北西部イドリブ(Idlib)での政府軍による大規模な攻撃により、昨年12月中旬以降、27万人以上が避難を余儀なくされている。HRWは、難民の多くがトルコへ避難しようとしているものの、トルコの国境警備隊が「無差別に発砲し、シリア難民たちを即座に追い返している」と指摘した。

 トルコは推計350万人のシリア難民を受け入れているが、2015年8月から南の国境を越えて入国しようとするシリア人を押し返そうとしている。シリア人の中には密入国仲介業者に頼る人々もおり、昨年5~12月に越境した十数人が自身の経験をHRWに明らかにした。

 難民たちは他にも、拘束されたり暴行を受けたり、治療を受けられなかったりした経験を語るとともに、トルコの国境警備隊による発砲で子どもを含む少なくとも10人が死亡したと述べた。(c)AFP