■「雪に恋している」

 デ・ルーターさんは、山がちな平昌は十分に気温が低く、すでに韓国側の造雪機を使ってつくった雪で、コースはしっかり覆えているはずだと考えている。「しかし気温が上がれば、ちょっとつくってくれないかという依頼が来る可能性はある」という。

 幼いころから雪に恋をしていたというデ・ルーターさんにとって、雪は数十年来の「遊び相手」だ。オランダ代表として1992年のアルベールビル五輪、その2年後のリレハンメル五輪に出場する以前から、ジャンプ台の自作もしていたというデ・ルーターさんは「当時は何でも自分でなんとかしなくてはいけない時代でした。だけどあれはお金を稼ぐためで、遠征費の足しにしていたんです」と話す。

 五輪でのメダル獲得はならなかったが、雪づくりは今やデ・ルーターさんの仕事になり、ビーチのヤシの木に雪をかぶせることもあれば、映画や広告用にスタジオを白く染めあげることもある。魔法のレシピは水と空気、そして液体窒素。それを使えば「いつでもどこでも」、太陽の照っている「気温30度の場所にも」雪をつくり出せるという。

 ジャンプ台つくりでは、現地の人も加えて30人ほどのチームを組み、まずは木材と金属で骨組みをつくってから雪で肉付けしていく。「それを2、3日置いておくと雪が凍るので、そうしたら今度は表面を削ってカーブ」をつくる。そうした作業に支えられ、選手は高く、速く、遠くへと願いながら一直線に跳び出していく。

 平昌ではそうしたスキーヤーの派手なジャンプに世界中の視線が注がれ、称賛の声を集めるだろう。しかしデ・ルーターさんは言う。「私が雪から目を離すことはありません」 (c)AFP/Charlotte VAN OUWERKERK