【2月1日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は31日、新型の薬物検査キットの欠陥を認め、平昌冬季五輪では旧モデルの使用を推奨した。

 WADAは声明で「凍っているか否かに関係なく、新型のセキュリティーボトルは不正の痕跡を残すことなく手で開けられる可能性がある形状だと確認した」と発表している。

 平昌五輪の開幕が9日に迫る中、国際オリンピック委員会(IOC)は、ドイツ西部ケルン(Cologne)の認可研究所から凍らせた容器を開けることができたという報告を受け、WADAに調査を依頼していた。

 今でも尾を引いているロシアの薬物スキャンダルの再発を阻止する方策の一環として開発されたこのガラス容器は、2017年に発表されて以来、次世代の検査キットとして評価されていた。

 しかし、平昌五輪では新型の代わりに2016年リオデジャネイロ五輪で使用された旧型のキットを使用するべきとの結論に達したというWADAのオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は、「現段階でわれわれがIOCに明確に推薦しているのは、引き続き旧モデルを使用することだ。旧モデルは世界中にある検査機関の多くで今でも使用されている。これは五輪における薬物コントロールのプロセスの完全生を保障するための予防措置として考えてほしい」と話している。

 WADAは情報収集と解決策を探すため、検査キットを製造するスイスのベルリンガー(Berlinger)社と協力している。ニグリ事務総長によると、すでにベルリンガー社は2016年モデルの製造再開で合意したという。(c)AFP