【2月1日 AFP】シリア北部のアインダラ(Ain Dara)神殿に建てられたライオン像の数々は、3000年間にわたり鉄器時代の証しとしてそびえ立ってきた。だが周辺地域がトルコ軍の空爆に見舞われる今、足元以外に残る部分はほぼない。

 シリア当局と地元クルド勢力は、同神殿がシリア北西部アフリン(Afrin)に対するトルコ軍の攻撃によって破壊されたと主張している。トルコ軍は約2週間前から、同国と国境を接するアフリンを支配する民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」に対する軍事作戦を進めている。

 丘の上にそびえるアインダラ神殿は、ヒッタイト新王国が栄えた紀元前1300年から紀元前700年ごろにかけて建造され、アフリン地域にある村にちなみ名づけられた。シリアの文化財保護当局は「アラム人が紀元前1千年紀にシリアで建造した中で最も重要な遺跡の一つ」だと説明している。

 だがアインダラでは先月26日、トルコ軍が空爆を実施。アフリンの文化財保護当局者によると、神殿の4~5割が破壊された。被害を免れたのは神殿の後部のみで、アフリンの緑の丘を見下ろすライオン像1体も難を逃れた。(c)AFP/Delil Souleiman