【1月31日 AFP】恩赦を受けたペルーのアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の次男で国会議員のケンジ・フジモリ(Kenji Fujimori)氏が30日、長女のケイコ(Keiko Fujimori)氏が率いる最大野党フエルサ・ポプラル(Fuerza Popular)から除名されたことを明らかにした。ケイコ氏との確執が原因だという。

 ケンジ氏の除名は党員の全会一致で決まったという。ペドロ・パブロ・クチンスキ(Pedro Pablo Kuczynski)大統領に対するケイコ氏の姿勢をケンジ氏が批判したことで、同党は昨年12月からケンジ氏の処分を進めていた。

 クチンスキ大統領は昨年、ブラジル建設大手オデブレヒト(Odebrecht)の大規模な汚職スキャンダルに関し嘘をついているとして、議会で最大議席を有するフエルサ・ポプラルに追及されていた。だが、昨年12月21日に行われたクチンスキ大統領の罷免を求める決議案の採決で、ケンジ氏は棄権。同氏を含む議員9人の棄権により大統領は罷免を免れた。

 クチンスキ大統領はケイコ氏と争った2016年の大統領選で、アルベルト・フジモリ氏への恩赦はないと公約していた。しかし、クチンスキ氏自身の罷免決議案が否決された数日後にフジモリ氏の恩赦が発表されたことにより、政治的取引があったのではないかとの憶測が噴出している。クチンスキ大統領は、恩赦は人道的理由によるものだとしている。

 人権侵害などの罪で禁錮25年の刑に服していたフジモリ氏は現在79歳。昨年末、病気治療のために入院し、今年1月16日に退院。年末に発表された恩赦を受け、そのまま自由の身となった。(c)AFP/Carlos MANDUJANO, Luis Jaime CISNEROS