【1月31日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)で予選突破を逃し、大会に出るかわりにリアリティー番組に出演していた男子テニスの悪童バーナード・トミック(Bernard Tomic、オーストラリア)が、番組を早々に降りて競技に復帰すると発言した。出演で「すっかり目が覚めた」からだという。

 現在25歳のトミックは、テニスに飽きたと話すなど、素行の悪さが大きな批判を集めた散々な2017年を過ごし、年が明けてからも全豪の予選で敗退して本戦出場を逃していた。

 その後トミックは、豪テレビ局ネットワーク・テン(Network Ten)の人気リアリティー番組「I'm A Celebrity... Get Me Out Of Here!(わたしはセレブだ。ここから出せ!)」に出演していたが、わずか3日で脱落し、ロケ地の南アフリカを離れることになった。

 トミックは30日の放送回で降板理由を説明し、「こんな場所で1日の半分を過ごすのは嫌だ。うつになるし、去年の自分のプレーや、俺が本来いるべき場所のことを考えてしまう。そうやってここで考えたことですっかり目が覚めた。俺は自分の一番得意なことで勝負したいし、プレーする必要がある。それが出ていく理由だ」と話した。

 そして、この1年の状況は自分で招いたものだと話し、テニスに集中していなかったと認めた。トミックは2年前に自身最高の世界ランキング17位に到達したものの、現在は168位まで転がり落ちており、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)のレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)監督からは、代表に復帰することはもうないかもしれないと言われていた。

 しかし、オーストラリアのスポーツ界は、番組を離れたトミックにまったく同情しておらず、ツイッター(Twitter)には、放り出していた病気の子どもへの支援活動を早く再開しろといった辛らつな言葉が並んだ。

 オーストラリアンフットボールの元選手デーン・スワン(Dane Swan)氏が、「大金を稼いだんだろ?金をせっせと数える暇があったら、お金がなかなか届かなくて困っているお前の慈善団体に1万ドル届けたらどうだ」とコメントすると、米プロバスケットボール(NBA)で長く活躍したアンドリュー・ボーガット(Andrew Bogut)は、トミックの今回の出演は「すべて演出」だとツイートした。

 一方、元女子サッカー選手のサラ・ウォルシュ(Sarah Walsh)氏は別の考えを持っているようで、「トミックは明らかに誰かの助けが必要。ばかにするのはやめて。たまたまテニスの才能を持って生まれただけの、一種のうつに苦しむちっちゃな子どもなんだから」と書き込んだ。(c)AFP