■ネット上の「エコーチェンバー」

 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された論文によると、この傾向がソーシャルネットワーク(SNS)にも及んでいるという。

 進化心理学者らは、適者生存のダーウィン主義の観点から「似た者同士が集まる」原則により社会的一体性、共感、摩擦のない集団行動などが促進されると主張している。

 自分とは明らかに異なる「同じ種族でない」人との間に築かれる関係は実用的、仕事本位で長続きしない傾向にあることが過去の研究で示されていた。

 だが、論文の主執筆者で、米ダートマス大学(Dartmouth College)のタリア・ウィートリー(Thalia Wheatley)教授(心理学・脳科学)によると、「似た者同士」を追い求めることに伴うマイナス要素がデジタル時代において増幅されるという。

 ウィートリー教授は、AFPの取材に「考え方が似通った人だけを自分の取り巻きにすることで、同じような意見ばかりが反響し合う空間(エコーチェンバー)が形成され、偏りが生じる」と語る。

「こうした現象は、人々がすでに持っている考えを裏づけるだけの情報を常に提供し続けるインターネット上のコミュニティーによって増幅される恐れがある」

 ウィートリー教授はまた、「人は社会性動物であり、他の人々とのつながりの中で生活している」と指摘し、「人の脳の働きを理解したければ、他人とのつながりの中で脳がどのように機能するか──精神がどのようにしてお互いを形作っているかを理解する必要がある」と述べた。(c)AFP/Marlowe HOOD