【1月31日 AFP】ドイツ自動車大手数社がディーゼル車からの排ガスを人やサルに吸わせる実験に出資していた問題に関連して、オランダの毒物学者が30日、同国の研究機関は類似の実験を「長年」実施しているとAFPに明かした。

 オランダ政府など公的機関からの委託研究を数多く担う「国立公衆衛生環境研究所(RIVM)」の毒物学者、フレミング・カシー(Flemming Cassee)氏はAFPの取材に対し、同研究所が「関わっている研究で、ボランティアの被験者らを(中略)ディーゼルエンジンの排ガスを希釈したものに暴露させている」と証言。

 さらにカシー氏は、被験者には「健康な人のほか、心臓病の専門医の治療を受けている人など、病気の人もいた」と述べた。

 同氏はまた、実験で使われる排ガスは、交通量の多い街や幹線道路沿いで人々が日常的に吸っているものと大きく変わらないとした。

 同氏は、「われわれは(同様の研究を)長年実施しており、特異なことをしているわけではない」と強調。「多くの国」が同じ状況にあると述べた。

 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は30日、今回のサルおよび人を対象にした実験に非難が集中していることを受け、同社のトーマス・シュテグ(Thomas Steg)チーフロビイストを停職処分とした。(c)AFP