【1月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が30日に行う初の一般教書演説に対し、野党・民主党は反論演説の担い手に名門ケネディ家の一族であるジョー・ケネディ3世(Joe Kennedy III)下院議員(37)を抜てきした。ケネディ氏は党の代表として移民や人権、トランスジェンダーの権利、医療、多様性などの争点についてトランプ氏に反論する予定だ。

 大統領の一般教書演説に対する反論演説は好ましくない役割として見られることが多く、2013年に行った共和党のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員は冷笑され、相手にされなかった。しかし今回の反論演説は、トランプ氏に対するロシア疑惑の調査が長引き、政界が混迷するなかで、ケネディ氏への注目が高まっている。

 ケネディ氏はマサチューセッツ州選出で、現在3期目。父親はジョゼフ・P・ケネディ2世(Joseph P. Kennedy II)元下院議員で、祖父はロバート・F・ケネディ(Robert F. Kennedy)元上院議員。暗殺されたジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元米大統領のおいの息子に当たる。

 今年行われる中間選挙で大勝を目指す民主党の議員の中には、ケネディ氏が将来の党の旗振り役になるとの見方もある。

 しかし、今回が全米に向けの初の演説となるケネディ氏は、トランプ氏に反論しつつ、同氏に不満を持つ無党派層や保守層を取り込みたい考えとみられる。

 ケネディ氏は「すべての人が享受すべき社会的・経済的な正義が保障される国を目指した議論をしたい」と述べている。反論演説はマサチューセッツ州フォールリバー(Fall River)の高校で30日夜に行われる。

 ケネディ氏はこの1年ほどに行った一連の演説で支持者を増やしており、バージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)で白人至上主義者による暴力的な集会が開かれた際には多様性を訴え、その演説の動画は1500万回視聴された。(c)AFP/Michael Mathes