【1月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から民主党寄りの人物だとの批判を受けていた連邦捜査局(FBI)のアンドリュー・マケイブ(Andrew McCabe)副長官(49)が、辞任することが分かった。政府筋が29日、明らかにした。

 政府筋によると、マケイブ氏は直ちに職務を停止するが、退職手当を得るために3月までFBIとの雇用関係は維持する予定。マケイブ氏の退任は、FBIでの勤続期間が20年に達し完全な年金受給資格が得られる今年前半になると予想されていた。

 マケイブ氏については、妻が2015年にバージニア州上院議員選挙に出馬した際、トランプ氏と大統領選を争ったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を支持する政治団体から献金を受けていたことが発覚。これを受けトランプ氏はツイッター(Twitter)で、マケイブ氏に批判的な投稿を繰り返していた。

 マケイブ氏は、トランプ氏によってFBI長官を解任されたジェームズ・コミー(James Comey)氏とともに、2016年大統領選中に問題となったクリントン氏の国務長官時代の私用メールサーバー使用についての捜査で中心的役割を果たしていた。FBIは最終的に、クリントン氏の行為に違法な点はなかったとの結論に達している。

 両氏はまた、大統領選中にトランプ陣営がロシアと共謀関係にあったとの疑惑の捜査にも初期段階で関わっていた。マケイブ氏はコミー氏が昨年5月に解任された後、FBI長官代行に就任。その数日後に米議会で行われた公聴会での証言で、コミー氏がFBI職員の信用を失っていたとしたトランプ氏の主張を否定していた。(c)AFP