【1月28日 AFP】(写真追加)パキスタン北部にある世界最高峰クラスの高山、ナンガパルバット(Nanga Parbat、標高8125メートル)で28日、困難を伴う高峰での遭難者救出活動にベテラン登山家らが参加し、遭難した登山家2人のうち1人を救助したが、もう1人の不明者捜索は打ち切られた。

 パキスタン北部に位置するナンガパルバットは世界第9位の高峰。1953年に初登頂が達成されるまでにも30人以上の登山家が命を落としている難峰で「人食い山」とも呼ばれている。

 このナンガパルバットでフランス人登山家のエリザベート・レボル(Elisabeth Revol)さんとポーランド人登山家のトマシュ・マツキェビッチ(Tomek Mackiewicz)さんが遭難したため、仲間の登山隊が26日、双眼鏡でレボルさんとマツキエビッチさんを捜索していたところ、下山を試みていた2人を発見。ポーランドの登山隊が同日午後、パキスタン軍の支援を受けて救助活動を開始しレボルさんを無事救出したが、マツキェビッチさんの元にはたどり着けなかった。

 先に双眼鏡でマツキエビッチさんを発見していた登山隊メンバーによると、マツキエビッチさんは凍傷のためにほふく移動しているように見えたという。

 救助活動には高峰の雪山で捜索を行うためベテラン登山家4人が参加。4人は世界第2位の高峰K2(ケーツー、標高8611メートル)のベースキャンプからナンガパルバットまでパキスタン軍機で移送されていた。

 パキスタン山岳会(Alpine Club of Pakistan)の広報担当、カラル・ハイデリ(Karar Haideri)氏は28日、「K2の冬季登頂という歴史的偉業を中止して1人の命を救った登山家たちがまもなくエリザベート・レボルさんとともに下山する」との声明を発表した。(c)AFP