【1月27日 AFP】米カリフォルニア州の女性が26日、黒人向けの商品に対し余分に防犯対策を施しているのは差別的な商法だとして、小売り大手ウォルマート(WalMart)を相手取り訴訟を起こした。

 エッシー・グランディ(Essie Grundy)さん(43)によると、ロサンゼルスから南東に約1時間ほどのペリス(Perris)の自宅近くにあるウォルマートでは、他の人種向けの化粧品は自由に手に取ることができるのに対し、黒人向けの化粧品はすべて鍵の掛かったガラスケースに陳列されているという。

 長年にわたり女性の権利のために尽力してきた弁護士のグロリア・アルレッド(Gloria Allred)氏によると、グランディさんは、なぜ黒人向けの商品は施錠された棚に陳列されているのかと従業員に聞いたところ、「本部からの指示」と回答されたという。

 その従業員はグランディさんに「商品を購入するにはレジまで従業員の付き添いが必要です」とも言ったという。

 この件について店長にもかけあったが、明確な回答は得られず、何の対応もなかったという。

 グランディさんは近所の別のウォルマート2店舗にも行ってみたところ、1店ではアフリカ系米国人向けの化粧品も自由に手に取ることができたが、他の商品とは異なり、防犯カメラで監視されていたという。

 アルレッド弁護士は「(ウォルマートは)アフリカ系米国人は泥棒だという人種的固定観念を永続させている」と指摘している。

 訴訟ではグランディさんが感じさせられたような屈辱や心的外傷に言及しつつ、こうした商法をただちに中止するよう求めている。(c)AFP