【1月30日 東方新報】農村部の貧困地域で患者の経済的負担を軽減することを目的とした『農村貧困入院患者県域診療費後払い指針』が、中国国家衛生・計画生育委員会主導のもと2017年から実施されている。中国の医療機関は、入院や診療時の費用を先払いするのが通例だが、この通達のもとでは、指定された医療機関を受診する場合に限り、患者は入院時などに保証金を先に支払わなくても、後から精算ができるようになっている。

 貴州省(Guizhou)のある病院は、患者がもっと便利に病院を受診できるようにと「診療費後払い」制度を昨年11月から実施している。患者が診療受け付けを行う窓口の混雑は軽減されたというが、後払いの制度を悪用する患者も少なからずいるという。診療費を支払わないまま帰ってしまう患者が出てきて、毎月2~3万元(約34~52万円)から多い時で5万元(約86万円)の未払い診療費があるという。

 同病院の謝民(Xie Min)院長補佐によると、未払いは特に病状が軽い患者と重症患者にみられるという。軽症患者は、医師に病状が軽いと診断されたことを確認してそのまま帰ってしまう。重症患者の場合は、受診したものの医師のアドバイスや診断結果を受け入れず、未払いのままほかの病院を受診するのだという。

 病院関係者は、「信用機関が個人の医療費の記録と信用記録を管理し、悪意ある行為が発生した場合には、次回の診療の際に医療保険が適用されないなどの措置を取る必要がある」と話している。(c)東方新報/AFPBB News