■実業界が注目、瞑想と「マインドフルネス」

 瞑想と「マインドフルネス」の訓練は近年、実業界で盛んになっている。マインドフルネスとは、瞑想を通じて導かれる穏やかで集中した状態と定義される。

 リカール氏はAFPの取材に「瞑想に対して大変強い関心が持たれている」と述べ、それはビジネスには仕事のストレスを原因とする「燃え尽き症候群や人間関係の悪化といった問題があることに人々が気付いたため」だと語る。

 WEFが発表したデータによると、抑うつに悩まされている人は世界で3億2000万人に上る。また英国の政策研究所「マインドフルネス・イニシアチブ(Mindfulness Initiative)」によると、精神的な健康問題による病欠は毎年7000万件に上るという。

 米厚生省や英国民保健サービス(NHS)は様々な科学的研究に基づき、マインドフルネスによって抑うつを防止できる可能性を認めている。英議会は2015年の報告書で、マインドフルネスを職場などで広めることを奨励している。

 マインドフルネス・イニシアチブによると、マインドフルネスを通じた健康を奨励する企業や組織は、年間で推定数十万ドルのコスト削減が可能になるという。