今後の中国社会について、北京大学(Peking University)社会学部の李建新(Li Jianxin)教授は、「将来の青年人口を増やすためには、出産適齢期の女性の出産を奨励し、出産制限を開放するほかに養育費を軽減する必要がある。同時に健全な高齢化社会を目指し、若者の社会保障の負担を軽減する必要がある」と話す。

 男女別の人口構成は男性が7億1137万人、女性が6億7871万人で、男女比は104.81対100だった。男性人口が女性人口より3386万人も多かった2012年と比べ、両者の差は縮小し続け、17年には3266万人まで縮まった。

 この2年で、中国人口の男女比が急速に縮まっている。中国経済体制改革研究会の陳剣(Chen Jian)副会長は、「二人っ子政策」を一番の要因に挙げる。一人っ子政策時代は、多くの親は男児の出産を望み、女児を妊娠しても中絶する人が多かった。男女比は一時期、120対100まで開き、一部の農村部に至っては130対100だったという。二人っ子政策が実施されて以降、中絶は大幅に減り、男女比は徐々に狭まりつつある。

 とはいえ、このことが即、多くの若者が結婚し、人口の増加につながるとは限らない。陳副会長は、「女性は自身と同じか少し優れた条件の男性を選ぶ。社会全体の教育レベルが上がったことで、女性自身の条件も上がり、女性が求めるレベルの男性を見つけるのが難しくなってきている」と話す。

 北京大学の李教授は、「女性の婚期が遅れているのは、女性自身に主導権が握られているからだ。男性は競争率が激しいため、条件が良くなければ選ばれない。しかも未婚男性のほとんどは貧困層で、学歴も低いため結婚相手が見つからず、社会問題になっている」と指摘する。李教授は、「中国は高齢化社会に突入した。独身者の数が増えると、将来の社会保障問題も複雑化するだろう」と懸念している。(c)東方新報/AFPBB News