■今回の税制改革で大きく変化も

 トランプ大統領からの圧力を受け、自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)は昨年3月、ミシガン州に向こう1年間で900人の雇用を増やすことを約束した。だが、たとえ自動車最大手のGMが誓約を履行したとしても、全米の時間給労働者数は2016年末の5万5000人から、17年末には5万2000人に落ち込んでいる。

 GMはこの落ち込みについて、消費者の購買傾向の変化の影響を受けたものと説明。同社広報は「一般的な乗用タイプ車からクロスオーバーやSUVに市場が変化した。GMは2017年に複数の工場で生産調整のための措置を取った」とコメントしている。

 統計ではまた、中国、インド、メキシコを含む海外の自動車製造拠点から輸入される車両台数が増加しており、2017年は対米自動車輸出が前年同期比9.4%上昇したとのデータが示されていた。

 だが、今回の税制改革でこの形勢ががらりと変わる可能性もある。企業にとって税率の引き下げは、米国内に製造拠点を移すインセンティブとなるからだ。

 トヨタ(Toyota)とマツダ(Mazda)は先週、アラバマ州に工場を新設する計画を発表した。これについて、自動車ソフトウェア・ソリューションなどを手掛ける米コックス・オートモーティブ(Cox Automotive)のエコノミスト、ジョナサン・スモーク(Jonathan Smoke)氏は、「それ(税制改革)が唯一の理由となることはないだろうが、決定を下す最後の一押しとはなり得る」と述べ、税率引き下げへの見通しがこの動きを後押ししたことは十分に考えられると指摘した。(c)AFP/Luc OLINGA