【1月13日 CNS】アリババ(Alibaba)傘下のアントフィナンシャル(Ant Financial)は公式ウェイボー(Weibo)で4日、「米国のマネーグラムインターナショナル(MoneyGram International)買収を断念する」と発表した。アントフィナンシャルがマネーグラムに3000万ドル(約33億3660万円)の打ち切り費用を支払って終了となる。

 声明の中で、「さまざまな方法を試し、さまざまな努力をしたが、対米外国投資委員会(CFIUS)の許可は得られなかった。米国市場は、開放されているように見えて実際は制限がある。『ガラスのドア』を取り払って、もっと寛容で開放的に、中国企業にも公平なチャンスを提供してくれることを切に願う」と述べた。

 マネーグラムは1940年設立。本社は米国ダラスにあり、ウエスタンユニオン(Western Union)に次ぐ世界2位の海外送金サービス会社。世界中に24億人の利用者を擁する。

 アントフィナンシャルは、グローバル化を目指して2017年1月から1株あたり13.25ドル(約1473.66円)、総額8億8000万ドル(約978億7360万円)での買収協議をマネーグラムと行っていた。しかし数回にわたる資料提出も虚しく、協議はCFIUSに阻止された形となった。

 トムソン・ロイター(Thomson Reuters)の調査データによると、2017年の1年間だけで、中国企業による米国企業買収プロジェクトの成功率は8割にとどまった。

 中国外交部の耿爽(Gen Shuang)報道官は3日に行われた記者会見で、アントフィナンシャルの件に触れ、中国政府は一貫して、中国企業が市場原則に従い現地の法律を遵守した上で発展のための投資、協業を推奨していく姿勢を示した。米国側に対しては、中国企業の投資事業に公平な環境を提供することを求め、「我々は、米国と互いに尊重し合い、ウィンウィンの精神で、両国の経済・貿易による提携が発展するよう推し進めていきたい」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News