【1月11日 AFP】マレーシアに拠点を置く国際海事局(IMB)は10日、年次報告を発表し、2017年に発生した海賊による襲撃事件の数が、過去20年間で最も少なかったことを明らかにした。ただ、フィリピンでの件数は2倍以上に増加したという。

 報告によると、船舶に対する海賊行為および武装集団による強盗は昨年、世界全体で計180件発生。2016年の191件から減少し、1995年以降で最少の件数だった。特にインドネシアでは昨年の件数は43件にとどまり、ここ2年で半数以下に減少した。

 その一方で、件数が増加した国もいくつか存在し、フィリピンでは22件と、2016年の10件から急増。そのほとんどは、国内最大規模を誇るマニラとバタンガス(Batangas)の2港に停泊していた船舶に対する軽微な襲撃だった。

 また、フィリピン南部では船の乗組員らを拉致する事件も発生。イスラム系武装組織が身代金目的に、紛争地域で乗組員らを標的する傾向が高まっている。

 さらに、バングラデシュでは2017年、襲撃事件が3倍近くに当たる11件に増加。ほとんどが国内最大の規模を誇る南部チッタゴン(Chittagong)の港で起きた。(c)AFP