■新たなIS拠点?

 ISが変化する状況への順応力を見せていることから、シリアやイラクの支配地域の大半を失って逃げてきたIS戦闘員がアフガニスタンを新たな根拠地にするのではないかと懸念されている。だが、アフガニスタンと中東のISのつながりについて正確なところははっきりしていない。

 アフガニスタン政府はそのようなつながりはないと主張しているが、AFPが取材した専門家らは、両地域の間でISの情報のやりとりはあると言い、カブールでの攻撃の犯行声明の多くはIS傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)を通じて発表されていると指摘している。AFPは先月、ISが新たな拠点を築いたアフガニスタン北部にフランス人とアルジェリア人の戦闘員らが到着し、同地のISと合流したと報じた。合流した戦闘員の一部はシリアから来たという。

 両者のつながりがどうであれ、アフガニスタンと中東のISの目標は、宗派間抗争をあおるという点で一致しているように見える。だが、米首都ワシントンを拠点とするウッドロー・ウィルソン国際学術センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)のアナリスト、マイケル・クーゲルマン(Michael Kugelman)氏は、アフガニスタンにおける分裂の大半は宗派間ではなく民族間のものであるため、ISがアフガニスタンを新たな宗派間抗争の前線にするのは容易ではないだろうと語った。(c)AFP/Usman SHARIFI/Allison JACKSON